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仮想水貿易

ミネラルウォーターなどの特殊な例を除き、通常、水は貿易の対象とならない。しかし、多くの貿易品の生産に水が必要となることを考えると、商品の移動に伴い、その生産に必要とされた水が仮想水という形で取引されているとみなすことができる。特に、生産に大量の水が必要となる農産物と木材資源は、仮想水貿易を考える上でもっとも重要である。

例えば、小麦1kgを作るには水が1t、米1kgを作るには水が2t、牛肉1kgには水が20t程度必要となる。

水資源が不足する国々にとって、仮想水の輸入は水を確保するための選択肢の一つである。中東やアフリカの諸国は、農産物の輸入を通じ、国内で不足しがちな水資源を仮想水の輸入で補っている。しかしながら、仮想水の輸入には食料自給率の低下をもたらすという側面がある。農業技術が高度に発展したアメリカ合衆国やヨーロッパ連合国から輸出される農作物は世界のシェアの60%にも達する。その量と価格の低さは、乏しい水に頼って生産される輸入国側の国内産品が太刀打ちできるものではなく、国内農業の破綻による自給力の低下や失業問題を作り出す原因にもなりうる。
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一方輸出国側は、仮想水の輸出によって国内の水資源を消耗させている。アメリカ合衆国が農産物の輸出に伴って国外に放出している仮想水は、国内の年間総使用水量の1/15にあたる。米の主要輸出国であるタイにおいては、1/4に達する。これらの国々にしても無尽蔵の水資源を有するわけではなく、一部の地域では地下水の枯渇や河川の断流が起こりつつある。仮想水の輸入大国であるスリランカや日本では、食料自給率の低さもあり、世界的な水の危機が食糧危機となって顕在化する恐れがある。

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2009年11月03日 01:07に投稿されたエントリーのページです。

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